課題名:認知症における脳血流・糖代謝の分布の変化に関する調査
内容
- 認知症の診断のための検査として、心理検査、画像検査があります。
- 心理検査(アーバンス神経心理テスト)
1998年に開発された心理検査です。それまでの心理検査と比較して短時間に簡単に行うことができます。短期記憶、図形認知など、各項目における点数とそれを合計した総合点(アーバンススコア)が算出できます。これまでの研究で、アーバンススコアにより認知症の診断を容易・正確に行うことができることがわかっています。
- 画像検査(脳血流検査、PET検査)
1980年代に放射性同位元素を利用した脳の血流の量を測定する薬剤(脳血流検査薬)、脳の糖の代謝を測定する薬剤(PET検査薬)が開発されました。1990年代後半から2000年代に、まだ物忘れなどの症状がないようなごく初期のアルツハイマー病の患者で、脳の特定の領域の血流や糖の代謝が低下していることが研究でわかりました。現在、脳血流検査は認知症の診断に欠かせない検査となっています。また、PET検査は日本においてアルツハイマー病の診断に対して保険適用はないものの、これまでの膨大な研究データによりアルツハイマー病の早期診断に極めて有用であると世界的に認められています。
- 最近10年の研究により、アーバンススコア、脳血流検査、PET検査が認知症の診断に非常に有用であることがわかってきました。しかし、同じ患者様でこれらの検査を行い、どの検査が認知症をより正確・早期に診断できるかはわかっていません。そこで、同じ患者様でこれらの検査を行い、その結果を比較することにより、より的確に検査を選択することが可能となると期待されます。
- 集積されたデータは学会発表、学術論文などでまとめて公表されることがありますが、個人個人の情報については公表されることはありません。また、得られた研究データは個人が特定されない形に処理された上で、金沢大学病院のコンピューター内に厳重に保管されます。
- 金沢大学附属病院精神科または特定医療法人扇翔会南ヶ丘病院においてアーバンス心理検査を受けた方
- 当科において脳血流検査、または金沢先進医学センターにおいてPET検査を受けた方
- 認知症疑いで金沢大学附属病院もしくは特定医療法人扇翔会南ヶ丘病院を受診し、かつ上記(1)と(2)に当てはまる方のうち、研究への参加を希望されない方は下記へご連絡ください。
目標数と研究実施期間
- 目標数:200例
- 実施期間:2018年3月31日まで
研究不参加の意思表示の期間
- 最終検査実施日から1年
- 2018年3月31日
上記のうち、いずれか早い方を経過するまでの期間
連絡先
研究責任者
金沢大学医薬保健研究域医学系再生脳外科学 准教授 山嶋哲盛
- 研究全般に対するお問い合わせ 金沢大学附属病院再生脳外科(電話:076-265-2381)
- 脳血流シンチグラフィ検査・PET検査に対するお問い合わせ
金沢大学附属病院核医学診療科(電話:076-265-2333)
担当:稲木