“医療関係の皆様および患者様へ”
金沢大学附属病院核医学診療科では、悪性褐色細胞腫・傍神経節腫に対してI-131メタヨードベンジルグアニジン(MIBG)治療を実施してきました。2016年3月からは先進医療Bの枠組みで治療が実施できるようになりました。プロトコールに規定された登録基準に合致した患者さんは、先進医療の中で混合診療として治療実施が可能です。MIBG輸入に関わる諸費用は保険外診療に相当する費用が発生しますが、この先進医療では、当科が国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からいただいている「革新的がん医療実用化研究事業」による研究費でまかなうことができます。したがって、登録患者さんは、入院に関わる保険診療分の負担をしていただくだけでこの治療を受けることが可能です。また、保健診療分の支払いは、高額療養費申請をすることにより、一ヶ月の医療費を一定額以下にとどめることが可能です。
“患者様へ“
本治療については、まずは、現在の主治医にお尋ねください。その上で、主治医が本治療が必要であると考えられれば、主治医から当科に連絡をいただきます。その後、当科へのセカンドオピニオン外来を受診していただき、先進医療の可否を決定します。本先進医療プロトコールにある規定に適合しない患者さんでは、自費診療としてMIBG治療を行うことが可能です。
“小児神経芽腫について”
今回の先進医療の枠組みの中には、小児神経芽腫のMIBG治療は残念ながら含まれていません。今後、神経芽腫MIBG治療は別プロトコールによる先進医療として実施可能になるように準備を進める予定ですが、現時点ではいつから開始可能であるか不確定ですので、ご理解くださいますようお願い申し上げます。なお、神経芽腫MIBG治療は、これまで通り自費診療として継続しています。