欧米では、心臓核医学検査を用いた虚血性心疾患の診断、リスク層別化、予後予測など心事故に関するエビデンスが蓄積されており、診療ガイドラインにも反映されています。本邦においては、2001年から日本人における心臓核医学検査のエビデンスを構築するための研究としてJ-ACCESS研究(西村恒彦主任研究者)が施行されました。
全国117施設において、Tc-99mTetrofosminによる負荷心筋血流SPECT検査、および安静時心電図同期SPECT検査を施行した虚血性心疾患(疑い含む)4,629例が登録され、3年間にわたって追跡調査が施行されました。
J-ACCESSの結果をもとに、SPECT検査後の心事故発生確率を予測する多重回帰式が作成され、その考え方を用いてHeartRisk Tableが作成されました。
詳細は、Nakajima K, Nishimura T. Prognostic table for predicting major cardiac events based on J-ACCESS investigation. Ann Nucl Med 2008; 22:891-897に記載されています。
もし、45歳、糖尿病あり、心駆出分画=32%、SSSカテゴリー=2(虚血が中等度)であったら下記のように、該当する欄を読みます。
Summed Stress Scoreの重症度に関する分類は、17, 20セグメントモデルによりそれぞれ次に示すように分類します。
SSS重症度 | カテゴリー | 20-セグメントモデル | 17-セグメントモデル |
---|---|---|---|
正常 | O | 0 - 3 | 0 - 2 |
軽度異常 | I | 4 - 8 | 3 - 7 |
中等度異常 | II | 9 - 13 | 8 - 11 |
高度異常 | III | 14 - | 12 - |