Case TT07
case
A:carcinoid tumor of
the lung
case
B:carcinoid tumor of
the thymus
症例解説と読影のポイント
- 画像をどう読むか
- case A
- chest CT:
右中葉に辺縁明瞭な結節影を認める。石灰化は見られず、造影にても弱い均一な造影効果を見るのみである。
- Tl SPECT:
結節影に一致して、early、delayにて集積を認める。
- FDG PET:
結節への集積は淡く、血管内腔よりも低い。
- case B
- chest CT:
前縦隔に単純にて辺縁整な腫瘤を認める。動脈相、平衡相にて緩徐な造影効果を認める。
- Tl SPECT:
early,delayにて腫瘤に強い集積を認める。
- FDG PET:
血管内腔と同程度の集積を認めるのみ。
- 解説
- 原発部位の異なるcarcinoid
tumorに対し、核医学検査がなされた2症例である。
- Carcinoid tumorは、low grade
malignancyで、ホルモン産生性腫瘍として知られている。
- 肺原発のcarcinoidにおいては、約1/3で、Cushing
syndromeを呈すると言われているが、いわゆるcarcinoid
syndromeを呈する症例は稀である。
- Tl
SPECTにおける早期像における集積亢進とprolonged
retentionが報告されており、我々の経験した症例でも、同様の所見を認めた。これは、組織内の高い細胞密度を反映していると考察されている。
- 一方、FDG-PETにおいては、集積の程度はさほど高くなく、我々が経験したものと同様の傾向であった。これは、低悪性度を表現しているものと考えられた。


- 2症例のみではあるが、肺、胸腺と異なる臓器を原発にした腫瘍性病変が核医学的検査で同様の傾向を認めたことは、今後の鑑別診断の一助となりうる可能性を示唆するものと考えられた。
- 文献
- Tonami N, et al. Intense accumulation of Tl-201 in
carcinoid tumor of the thymus. Clin Nucl Med
1994;19:408-12
- Erasmus JJ, et al. Evaluation of primary pulmonary
carcinoid tumors using FDG PET. AJR
1998;170:1369-1373
Back
Case
Index
Nucl
Med Home
Update: Apr 16, 2002