Case SH06
メロレオストーシス(流蝋骨症)
Melorheostosis
症例解説と読影のポイント
- 病歴
- 症例:30歳台男性
- 主訴:右腕の骨異常陰影
- 既往歴:特記すべき事なし
- 現病歴:偶然右腕の骨異常陰影を指摘された
- 画像をどう読むか
- 単純X線: 右腕の橈骨、手根骨橈骨側、第1手指骨、第2手指骨橈側に骨硬化像を認める。分布はほぼC6 sclerotomeに一致している。
- 骨シンチグラフィ: X線写真上の硬化性病変に一致した集積を認める
-
- 右図(dermatome)の引用は
- 解説
- メロレオストーシス(Melorheostosis;流蝋骨症)はsclerotomeの分布に一致した分布を示す骨増殖性疾患で、原因は神経調節異常と考えられているが遺伝性は証明されていない。
- まれに紅皮症、筋萎縮、関節拘縮などの軟部組織病変や血管腫、AVMなどの血管過誤腫を合併することがある。
- 画像所見
- X線上、通常は単一、まれに複数のsclerotomeの分布に一致した骨硬化像を呈し、骨シンチグラフィ上は強い集積が見られる。
- X線上管状骨の長軸に沿った蝋が流れたような膨隆性の骨硬化帯が有名で命名の由来にもなっているが、骨肥厚が強く見られることもある。
- 所見だけにこだわると誤診をまねくが、sclerotomeに一致した分布を確認すれば診断は容易である。
- 文献
- Davis DC, Syklawer R, Cole RL. Melorheostosis on three-phase bone scintigraphy. Case report. Clin Nucl Med 1992;17:561-564
- Nishiguchi I, Kubo K. [Bone scintigraphy of melorheostosis]. Rinsho Hoshasen 1983;28:925-926.
- メロレオストーシス協会ホームページアドレス
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Update: May 15, 2007