
今回は金沢市観光会館での開催になります。2000年10月21日(土)15:00〜17:45
Ga-67スキャン読影のポイント 富山医科薬科大:清水正司(司会:金沢医科大 東 光太郎)
- Ga-67スキャンの読影の基本的なポイント
- 正常像(個人差が大きい)を知る
- ピットフォールを知る
- 疾患の概念とその治療法(治療内容)を知る
- Ga-67スキャンの正常像(生理的集積)
- 肝臓
- 骨・関節(骨髄)、小児:骨端部
- 鼻咽腔、唾液腺、涙腺、甲状腺(甲状軟骨)
- 肺門部(特に高齢者、男性、喫煙者;
両側性がほとんどだが、片側性もある)
小児:胸腺
- 腎臓、大腸、膀胱(稀)
- 脾臓(稀、明瞭に描出される場合は、脾腫または膠原病や敗血症など全身性の炎症性疾患の存在が疑われる)
- 男性;陰嚢、乳房(まれ、思春期、女性化乳房、前立腺癌(女性ホルモン使用中))
女性:乳房
- 胃(壁)(稀)
- Ga-67スキャンのピットフォール
- 汚染;便(おむつ)、静注部位(三方活栓、IVHなどのルート)、注射漏れ
- 汗腺、発汗部
- 術創部(術後性変化)
- 生理的集積部位の集積低下(不描出):化学療法後、病巣部の高集積が原因
- 放射線治療後の骨(骨髄)集積低下:照射野に一致した集積低下
- 放射線治療後の唾液腺集積:急性期は集積増加、慢性期は集積低下を示すことが多い
- 唾液腺造影後の唾液腺集積:集積増加を示す
- 読影の仕方
- オリジナルフィルムのみをまず読影する
- 依頼書を読んでから、再度フィルムを読影する
- 不明な点があれば、カルテとフィルムの親袋を取り寄せて参照する(または、直接、主治医に問い合わせる)
- 報告書を記入する
- レポートの内容・書き方についての参考文献
- 実用シンチグラムレポートの書き方 日本核医学会編 金原出版p.192-197
- 中條政敬:核医学、充実した診断レポ−トの作成のために 臨床放射線42:989-995、1997.
-
Individual Initiatives for a Successful
Nuclear Medicine Practice
- 最上の画像を提供せよ
- 検査の現場にいよ
- 患者さんに礼儀正しくあれ
- カンファレンスに出席し、さらに主宰せよ
- すぐに検査をしてあげよ(できれば依頼されたその日に)
- 簡潔で的確なレポ−トを書け
- 依頼医、患者さん、管理職などとコニュニケーションをとれ
- コスト、検査代金にも気を配れ
- 正確な診断を心掛けよ
- From the American College of Nuclear Physicions
Professional and Public Information Program, 1985 /
上野恭一(石川県中 核)訳
- 正常像、ピットフォール、診断に苦慮した症例など、20例程呈示します

脳血流SPECTの読影のポイント 福井医科大:土田龍郎(司会:金沢医科大 滝 鈴佳)
- 脳血流SPECT検査の適応
- 脳血流SPECTがよく使われる疾患とその目的について解説する
- .脳血流SPECT検査の流れとピットフォールを生む要因(テクニカルな面から)
- 静注後の各検査段階において、ピットフォールを生み出したり、image
qualityを損なう要因を考える
- 脳血流SPECT画像の特徴
- 正常脳血流SPECT画像における特徴とその分布に影響をおよぼす原因について解説する
- 読影の実際
- 実際にフィルムを読影する際、気をつるべき点をあげる
- 各種脳疾患における読影のポイント
- 脳血管障害、てんかん、変性(痴呆性)疾患における読影のポイントを解説する

骨シンチグラフィの読影のポイント 癌研究会付属病院:小泉 満(司会:富山医科薬科 渡辺直人)
- 骨シンチグラフィは核医学検査の中では歴史が古く、また、現在でも最も多い検査である。骨シンチグラフィを正しく読影するためには、放射性医薬品、核医学機器、病態、画像診断法の特徴について知る必要がある。
- 骨転移の診断を例に挙げて、骨シンチグラフィでの診断のポイントについて解説する。

心筋SPECTの読影のポイント 慶應大学:橋本 順
(司会:金沢大 中嶋憲一)
- 心筋血流SPECT検査の読影ならびに報告書作成において知っておきたいポイントについて、以下の2項目に分けて概説する。
- SPECT画像読影の際に注意すべき点
- SPECT画像は再構成画像であるために、画像作成時に使用する各種パラメータの影響を受け、またしばしばアーチファクトを生ずることがある。これらの点が読影上のピットフォールとなり、誤診につながる場合がある。そこで以下の点について説明する。
- SPECTのデータ収集から再構成画像ができるまでの手順ならびにこの過程のどの部分が最終画像にどのように影響するのかに関して
- 比較的よく遭遇するアーチファクトのパターン、読影上の注意点と補正法
- しばしば見られる正常バリエーション、病的所見との相違点
- 心筋血流SPECT検査のレポートに求められる情報
- 検査の報告書を提出する際に最も重要な点は、検査依頼医が何を知りたくてこの検査を依頼したのかを把握し、それに応じた情報がレポートの中に含まれていることである。
- 心筋血流SPECT検査に求められる情報として、虚血・梗塞の有無、重症度、拡がり、残存心筋の有無、責任冠動脈の特定、心事故の危険性の予知などがあり、どのような所見に注意していると求めている情報が得られるのかといった点に言及する。

放射性医薬品の開発状況 第一ラジオアイソトープ研究所:山口敏朗(司会:金沢大 利波紀久)
- 日本における20世紀の核医学は、アイソトープの有用性と安全性から確たる地位を築き上げてきた。
- 諸外国の製品開発状況と日本の環境変化から、21世紀の核医学をともに考えよう。
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