Case HT01
正常例 (吸収によるアーチファクト)
Normal (attenuation artifact)
症例解説と読影のポイント
- 画像をどう読むか
- 心筋18F-FDG PET: 中隔から後下壁にかけて集積低下して見えるが、コインシデンス方式のカメラで吸収補正を行わなかったために生じた吸収アーチファクトである。
- 解説
- ガンマカメラによるポジトロン核種の撮像法には、コインシデンス方式とコリメータ方式がある。現在、わが国では法制度の問題からSPECT撮像の際に吸収補正(AC)は行われていない。しかし、コインシデンス方式のポジトロン撮像の際には、コリメータ方式の撮像に比べて吸収の影響が大きい。
これは、図1にしめすように、コインシデンス方式の撮像では、コインシデンスライン上全ての吸収効果を受けるため、コリメータ方式に比べて長い距離の透過を要するからである。ポジトロン核種がシングルフォトン核種より高いエネルギーを持ち透過性が高いにもかかわらず、強い吸収の影響をうける所以である。
- 今回提示したような心臓のFDGコインシデンス像(AC-)においては、中隔から下壁にかけて%uptakeで50%にもおよぶ吸収によるアーチファクトが生じる。コインシデンス撮像の心臓検査には吸収補正が必要である。また、ガンマカメラのFDG心臓検査においては、高い分解能は必要ではないことから、吸収の影響の少ないコリメータ方式による撮像がより適している。
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Update: Dec 7, 2002