Case TT12
前立腺癌 多発リンパ節転移
Prostatic cancer with multiple lymphnode metastases
症例解説と読影のポイント
- 画像をどう読むか
- 造影CT: 左頚部、縦隔、外腸骨領域などに多発リンパ節腫脹を認める。
- Gaシンチグラフィ:左頚部、右鼠径部に淡い集積を認める。
- FDG PET:CTで見られるリンパ節、Gaシンチで見られる集積に対し、FDGの集積は見られない。
- 臨床経過
- その後の原発巣検索にて、 USにて前立腺の腫大が指摘され、MRIを施行。下図のごとく、前立腺辺縁領域に不整な腫瘤を認めた。
- さらに、骨シンチにて左坐骨、右腸骨に集積亢進を認め、血清PSAも298ng/mlと著明な高値を認めた。
- 前立腺生検にて、低〜中分化型腺癌と診断され、原発巣は前立腺と考えられた。
- 解説
- 前立腺癌は、FDG-PETによる検出率が低い悪性腫瘍として知られている。
- 原因としては
- 1)発育が緩徐であること
- 2)膀胱内の尿によるアーチファクト、など考えられる。
- しかし、1)に関しては、肺癌などでは、FDG集積が分化度やaggressivenessと相関するという報告があるが、前立腺癌においては、一定の見解が得られていない。2)に関しては、近年の再構成法の進歩により、これによる検出率低下は改善されているものと考える。
- 文献
- Liu IJ, et al. Fluorodeoxyglucose positron emission tomography studies in diagnosis and staging of clinically organ-confined prostate cancer. Urology 2001;57:108-111
- Schoeder H, et al. Positron emission tomography for prostate, bladder, and renal cancer. Semin Nucl Med 2004;34:274-292
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Update: Dec 13, 2005