Case TS02
hepatic adenoma,肝腺腫
症例解説と読影のポイント
- 症例
- 22才 女性
- 職場検診でUS上肝腫瘤を指摘された。
- 既往歴特記すべきことなし。また、妊娠歴および避妊薬の服用歴はない。
- 検査成績: 肝機能異常なし、 HBs
Ag(-)、 HCV Ab(-)、 AFP、 CEA とも正常範囲内。
- 若年女性に発症した均一構造のhypervascularな充実性肝良性腫瘍であることより、
肝腺腫が疑われ、腫瘍を含む肝局所切除が行われた。病理診断の結果は肝腺腫であった。
- 解説
- CTでは、内部は均一で、周囲肝とisodensityであり、
造影にて周辺肝よりも軽度強い、均一な染まりを示した。
Angiographyでは、腫瘍はhypervascularで毛細管相で均一に強く染まり、腫瘍辺縁部に拡張した栄養血管が認められた。FNHに特徴的なspoked-wheel
patternは認められなかった。
- 99mTc-スズコロイド肝スキャンSPECTで腫瘍部に周囲肝より低い取り込みが認められた。肝腺腫の99mTc-コロイド肝スキャンの所見は、その80%以上が集積なし(欠損)で、20%以下で周囲肝より弱い集積が認められるとされる。
- 鑑別リスト
- focal nodular
hyperplasia (FNH)
- hepatocellurar
carcinoma
- 文献
- Davis LDC, Wulfeck LD, Donovan LMS :
Hepatocellular adenoma Case report with Tc-99m SC uptake and
radiologic correlation. Clin Nuc Med 21: 8-10, 1996
- Dahnert W: Radiology review manual
2nd ed. Baltimore,Williams&Wilkins,440, 443-444
- 志賀淳治、嶋田裕之:肝良性腫瘍の概念と分類.
肝胆疾患(下). 日本臨床 46: 3-8, 1998増刊号
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Update: May 6/98