Case TN03
Acute Lymphocitic Leukemia with
extramedullary involvement (L1)
急性リンパ性白血病(髄外病変を伴う)
症例解説と読影のポイント
- 画像をどう読むか
- 腹部CT:両側腎のびまん性腫大と造影不良、膵頭部に正常部に比べ造影不良の腫瘤、および、大動脈周囲リンパ節腫大を認めた。
- Gaシンチ:膵頭部及びリンパ節に一致して著明な集積、両側頬部から側頭部にかけての淡い集積亢進を認めた。
- DMSA腎シンチ:両腎の腫大、多発性の欠損を認めた。またバックグラウンドが高腎機能低下が示唆された。

- MRI:右眼窩側壁、乳突蜂巣及び左側頭部の脳実質外に均一に造影される腫瘤を認めた。

- 解説
- X線CTおよびMRIで認めた膵頭部、リンパ節、頭部の腫瘤にはGaシンチで程度に差があるものの集積亢進がみらた。血液検査および骨髄検査から、急性リンパ性白血病と診断され、上記の病変は白血病に伴う髄外病変(Chloroma)と考えられた。
- 一方、腎病変については、腎シンチで多発性の欠損像を示し、一元的に白血病の浸潤を疑ったが、Gaシンチでは集積がほとんど見られなかった。組織は採取されていないものの、化学療法後にすべての腫瘤は画像上消失し、腎のサイズ、および軽度の腎機能異常も正常化していた。以上から画像でとらえられたすべての病変が白血病細胞の浸潤であったと考えられる。
- 血液検査
- WBC 44500↑ (blast 66%),Hb 13.6 Plt 18.7万
- BUN 15 Cre 0.7↑(5歳未満の正常:0.3〜0.5)
- LDH 8547↑ Amy 60
- CRP 1.10↑
- 骨髄検査:blast
81.9%
- 血液検査データさえあれば、診断は容易であるが、腫瘍細胞の性格が同一であると思われるにもかかわらず、腫瘤へのGaの集積が部位によって異なっていたことについての説明が非常に困難であった。
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Update: July 21, 1999