Case TA06

腎不全に伴う２次性副甲状腺機能亢進症と胃壁への強い異常集積　

Secondary hyperparathyroidism with high concentration of the gastric mucosa

症例解説と読影のポイント

• 画像をどう読むか
  • 左の上腹部に強い骨外異常集積を認めた。形態的には胃壁への異常集積と考えられる。
  • 左右の腎臓や膀胱のactivityが見られないのは腎不全のためである。
  • 腎不全のために軟部組織へのactivityが増加し、各関節部のactivityも増加している。
  • 第４腰椎の異常集積は骨転移の所見とは考えない　
• 解説
  • 症例は53歳、女性である．9年間の腹膜透析の既往があり、2000年7月に右の腎腫瘍が発見された。骨スキャンは腎腫瘍の術前検査として依頼された。
  • 骨転移の所見はなかったが、胃壁への強い骨外異常集積を認めた。石灰化ではないが、胃壁にカルシウム塩が動員されたためであろう．
  • ７月の骨スキャン(左）と11月の骨スキャン（右）
  • 
  • 11月の骨スキャン（上図右）
    • 胃壁への異常集積はかなり改善している．
    • 腎腫瘍の切除術を８月に行い、その後は血液透析を行っている。
    • 副甲状腺機能亢進症の改善があったのか、２回目の骨スキャンでは胃壁への異常集積の程度は著明に改善しているが、線状の異常集積が認められる。
  • ７月の腹部CT ：患者は右の腎腫瘍であった。肝臓にはcystを認める。胃壁にはいわゆる石灰化の所見は認められない。
  • 11月の骨SPECT像。水平断層、冠状断、矢状断

    　

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Update: Dec 16, 2000