解答: 化膿性脊椎炎(椎間板炎)


   骨スキャンでは骨転移を診断出来る訳ではなくて、あくまでも骨の代謝が亢進している部位を敏感に検出できる事が特徴である。

骨腫瘍以外の多くの良性病変で骨スキャンの異常集積を認めるが、強い炎症の周囲にある骨にも変化が及ぶ時に異常集積が出現する事になる。

 

 

 

最近の考え方

椎間板ヘルニアの手術時の術中感染や椎間板造影に合併した椎間板炎は直接椎間板に起こる細菌感染として独立した病態と考えられていたが、化膿性脊椎炎でも病巣は椎間板を介して上下の椎体にMRIでは初期変化が見られる。また術中感染による椎間板炎でも、病巣は早期より椎体に波及している。髄核は椎体終板に接しており、病巣が終板を通じて椎体に容易に達することを考えると、初発部位が椎間板か椎体かの違いでしかなく、進行期から終末期はいずれも椎間板と椎体の炎症像を呈する。そこで、最近では特に椎間板炎とは言わなくなってきており、全部が脊椎炎として包括する傾向である。