Case ST01
左大脳半球の広汎な虚血,water-shed
infarction
症例解説と読影のポイント
- 画像をどう読むか
- 発症2日後のHMPAOでは左半球全体に広汎な高集積を認めた。
- 同日のMRI, Diffusion weighted
imageでは左側のwater shed areaに多発性のfresh
infarctionを認めた。
- 血管造影では左内頚動脈起始部に著明な狭窄を認めた。
- 以上の臨床症状、画像より左内頚動脈狭窄に関連した左大脳半球の広汎な虚血とwater-shed
infarctionと診断した。
- 解説
- 本例では発症2日後のHMPAOで虚血域に明らかな高集積を認めた。一般にHMPAOの脳虚血域における高集積はluxury
perfusionやhyperfixationなどが知られている。
- これらは予後不良の兆候であるが、通常は亜急性期に出現する。
- 本例のように、超急性期の48時間以内に虚血域に出現するHMPAOの高集積はearly
postischemic hyperperfusion
(EPIH)として報告されており、予後良好であることが知られている。
- 本例もEPIHを認めた左大脳半球の大部分は、2週間後のMRIで梗塞に陥っていないことが確認されている。
- 脳虚血の核医学画像に携わる機会のある診断医にとって、比較的予後良好と思われるEPIHを認識しておくことは重要と思われ、本症例を呈示した。
- 文献
- Marchal G, Young AR, Baron JC. Early postischemic
hyperperfusion: pathophysiologic insights from positron
emission tomography. J Cereb Blood Flow Metab. 1999
May;19(5):467-82. Review.
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Update: May 12 2001