Case SS01
肺性骨関節性肥大症
Pulmonary Hypertrophic
Osteoarthropathy
症例解説と読影のポイント
- 画像をどう読むか
- CT:左下肺に径8cm大のmassを認める。(CT画像参照) →
- 骨シンチ:両大腿、下腿骨に沿って集積の増強を認める。
- 解説
- 2年前に耳下腺腫瘍にて摘出術施行(病理:adenocarcinoma)された患者である。
- 耳鼻科にてfollowされ、下肢関節痛が主訴であったため、骨シンチがまず施行された。そしてPHOを認めたため、CTを施行、肺腫瘤がみつかった症例である。
- 肺生検の結果、耳下腺癌の肺転移と診断された。
- 近年の報告では、以前と比べ肺癌におけるPHOの合併頻度は減少しているが(5%、本間ら19751)、0.22%、西潟ら19952))、これはCT検査の一般化に伴い、早期に発見される肺癌が増えたことによるものと思われる。
- しかし、本例のように呼吸器を専門としない臨床科において悪性腫瘍がfollow
upされる場合、肺転移巣の有無が必ずしも適切にfollowされるわけではなく、PHOを肺精査のサインとして臨床科間の橋渡しをすることは核医学を専攻するものにとって大事な役目であると考えた。
- 文献
- 本間日臣:肺性肥大性骨関節肥大症Pulmonary hypertrophic
osteoarthropathyの成因 日本臨床1975;33:392-397
- 西潟洋一、北村諭:ばち指または肺性肥大性骨関節肥大症から発見された肺癌 臨放1995;33:1080-1085
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Update: Dec 26, 2000