Case SM04
非機能性下垂体腺腫の疑い
Non-functional pituitary adenoma, suspected
症例解説と読影のポイント
- 画像をどう読むか
- FDG-PET:下垂体と思われる部位に一致した現極性の集積増加が認められる。
- 頭部MRI:トルコ鞍内に腫瘍性病変が認められ、腫瘍はトルコ鞍テ底左側及び鞍上方へ軽度膨隆している。正常下垂体は、右上方に強く圧排され、変形している。下垂体腺腫が最も疑われる。
- 解説
- SIADH(ADH分泌不適合症候群)の原因検索としてFDG-PETを施行し、下垂体腫瘍が偶然見つかったが、下垂体腫瘍がSIADHの原因となることはなく、結局、SIADHの原因は不明であった。
- 脳外科にコンサルトされたが、非機能性であり、かつ、自覚症状や視野異常もないので、手術適応なしとされ、現在も、外来にて経過観察中である。
- FDG-PETが高集積を示す良性腫瘍 クリニカルPET 一望千里から引用
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- 本症例の経過を再度まとめると
- 現病歴:20年前から高血圧にて治療されていたが、3年前の血液検査にてはじめてNa=125と低値を指摘され、尿中Na=109↓、尿浸透圧=531>血漿浸透圧=257、ADH=0.30↓であったことから、SIADH(ADH分泌不適合症候群)を疑われ、原因精査目的にて入院となった症例である。
- 検査データ:異常値のみ、Na=124↓、血漿浸透圧=255↓、ADH=0.27↓、尿浸透圧=602,RBC=337↓、Hb=10.9↓、Ht=31.1↓,腫瘍マーカ、甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン、ADH(ごく軽度の低下)を除く下垂体ホルモン、腎機能は正常であった。
- 胸部造影CT、上腹部エコーでは異常なし。
- 脳腫瘍(下垂体腺腫、髄膜腫)
- 唾液腺腫瘍(ワルチン腫瘍、多形腺腫、良性混合腫瘍)
- 神経鞘腫、甲状腺良性腫瘍(Hurthle細胞腫、濾胞腺腫)
- 副甲状腺腺腫、乳腺良性病変(繊維腺腫、乳腺異形成)
- 中皮腫、大腸腺腫、腎良性腫瘍(pericytoma、angiomyolipoma)
- 褐色細胞腫
- 卵巣良性腫瘍(thecoma、cystadenoma、endometrial/follicular cyst
- 骨良性腫瘍
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Update: May 15, 2005