Case SM03
両側鼠径部リンパ節炎(膿瘍)
Bilateral inguinal lymphadenitis (abscess)
症例解説と読影のポイント
- 画像をどう読むか
- 単純CT: 両側鼠径部に腫瘤性病変(左は径4×5cm、右は径2×2cm)が認められ、辺縁やや不明瞭、内部は均一な濃度を示す。
- 造影CT: 腫瘤性病変の辺縁は、比較的均一に、リング状に濃染される。
- ガリウムシンチグラフィ: 両側鼠径部(特に、左)に高度集積増加が認められる。
- 解説
- 接着剤(有機溶剤)による2次性再生不良性貧血による、重症感染症(緑膿菌感染)、敗血症性ショック、DIC、急性腎不全、顆粒球系の減少が最も強い3系統の造血障害と診断され、治療の結果、改善の方向に向い、退院が近づいていたが、意識障害から回復した直後から、両側鼠径部の腫瘤に気づいた。腫瘤に気づいた時には、白血球数や他の炎症反応もほぼ正常で、可溶性IL-2レセプタが1210(188-570)と中等度の上昇を示していたが、経過およびCT、エコー(呈示なし)から膿瘍を疑い、切開排膿、抗生剤投与によって治癒した。膿培養からMRSAが検出された。
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Update: May 24, 2004