SH07 lecture : 小児脳血流SPECT読影の基本
小児の脳血流SPECT検査の読影上の基本
診断
- 異常なし(月齢相応の血流像)
- 画像上両側前頭葉、側頭頭頂葉の相対的血流低下(白矢印)、あるいは両側感覚運動野、基底核の相対的血流増加(赤矢印)を認める。
- 同部位の血流低下(あるいは血流増加)と診断したいところであるが、実はこの所見は3か月児としては正常の分布である。このように小児の正常脳血流分布の知識がないと異常を検出できないどころか正常像を異常と診断してしまうことがある。
- 小児脳血流の加齢変化についての報告は少ないが、血流値に信頼性が高いXe-133クリアランス法による報告(1)によれば、局所脳血流については、生誕直後は感覚運動野を除く大脳皮質血流は低下しており、視床、脳幹、小脳虫部が相対的に高血流である。2ないし4か月後には感覚運動野、2ないし6か月後には視覚皮質(後頭葉)の血流が成人と同じレベルまで増加し、10か月後までには側頭葉、頭頂葉の血流が同様に増加する。これに対し前頭葉の血流は2歳くらいまで相対的に低下している。
- トレーサの特性よる分布の違いにも注意が必要だが、詳細はテキスト(2)を参考にして戴きたい。
- また、早産時の脳血流画像診断をするときには、形態画像と同様に修正週数(出生週数に暦年齢を加えたもの)で行うことに注意されたい。
参考文献
- Chiron C, Raynaud C, Mazie`re B, et al: Changes in regional cerebral blood flow during brain maturation in children and adolescents. J Nucl Med 33: 696-703, 1992.
- 隅屋 寿:小児脳血流SPECT. In: 大場 洋編;小児神経の画像診断 −脳脊髄から頭頸部・骨軟部まで−、学研メディカル秀潤社、pp178-187, 2010.
back
Case Index
Nucl Med Home
Update: Aug20, 2009