Case SH05
アーチファクト(機械の故障による画像のシフト現象)
症例解説と読影のポイント
- 解説:
- プロジェクション画像では脳への集積は正常であったが、画像全体が右に数cmシフトしていた。すなわち常に本来の位置より数cm右に脳があるものとして再構成されてしまった訳である。実際には脳が半径数cmの円周上を一回転した様な像となっている。実際に円柱ファントムや脳ファントムを用いて各方向ごとにファントムを移動させて撮像すると同様の再構成画像が得られた。
- 通常の等倍収集ではこのようなシフト現象が起きてもモニター周辺にエッジが現れることから容易に気付くが、今回は1.5倍の拡大収集だったことによりエッジがみえずにシフト現象に気が付かなかった。今回の現象は検出器の電源ラインのコネクター接触不良による位置計算回路の電圧変化が原因であった。最近の機器には自動補正回路が付いており、ある程度の変動は自動的に補正されるようである。
- 補正後の画像を示す

- 鑑別リスト
- 標識薬剤の不良
- 患者の動きによるアーチファクトなど
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Update: Dec 24/98