Case KT05
原発性胆汁性肝硬変,生体肝移植後
Primary biliary cirrhosis, post- partial liver transplantation state
症例解説と読影のポイント(準備中)
- 画像をどう読むか
- 腹部造影CTでは右葉(自己肝)の萎縮と左葉(移植肝)の腫大、門脈右枝閉塞によって生じたcavernous transformationがみられる。移植時に固有肝動脈左枝と門脈左枝は左葉に吻合されたが、右葉には門脈右枝は吻合されず、固有肝動脈右枝のみが吻合された。また、左葉および脾臓周囲に限局する腹水がみられ、胆嚢は切除されている。
- PMT肝胆道シンチグラフィでは、移植肝からのほぼ正常な胆汁排泄がみられるが、自己肝では、PBCの特徴であるトレーサのびまん性集積低下と排泄の高度遅延がみられる。移植時に左葉胆管は十二指腸に、右葉胆管は空腸に吻合された。
- GSA肝アシアロ糖蛋白受容体シンチグラフィでは移植肝への正常集積と自己肝への高度集積低下がみられ、肝予備能は移植肝に大きく依存していることがわかる。
- 症例解説
- 原発性胆汁性肝硬変(PBC)の悪化によって肝不全を生じ、肝臓移植の行われた症例である。
- サイズミスマッチ(移植肝のみでは、予備能不足)があったため、右葉自己肝を残し、donorの左葉が移植された。
- 移植後、黄疸、全身倦怠感は軽快し、以後定期的に肝機能の精査が行われている。
- PBCはstage?〜?によって重症度が評価される。軽症で推移する場合には、ウルソデスオキシコール酸による対症療法で経過観察されるが、stagingが進み肝不全に至った場合には、肝臓移植以外に救命法はない。移植後の5生率、PBCの再発率は、それぞれ80%、10%との報告がある。
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