Case KM10
MALTリンパ腫
MALToma
症例解説と読影のポイント
- 画像をどう読むか
- CT(軟部組織/骨条件)
- 筋円錐内に占拠病変を認める。周囲に骨破壊は認めない。
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- MR(T1WI横断像、T1WI横断造影像、T1WI造影矢状断像、T2WI横断像)
- T1WI造影矢状断像(b)で占拠病変は視神経の直下に位置するが、視神経自体の形状は正常である。
- 横断像でみる占拠病変はT1WI横断像で低信号(a)、T2WI横断像で中等度信号の中にレース状の高信号を認める(d)。また病変には軽度の造影効果を認める(c)。
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- FDG PET
- Gaシンチグラフィ(SPECT)
- 臨床経過
- Rose-Bengal試験およびSchirmer試験よりシェーグレン症候群と診断された。
- CT、MR所見からはmalignant lympoma(特にMALToma)や炎症性偽腫瘍が疑われた。
- FDG PET、Gaシンチグラフィの所見はMALTomaの所見として矛盾しなかった。
- 眼窩内腫瘍生検にてMalignant lymphoma of the right orbit, low grade MALT typeと診断された。
- 解説
- 今回のMALTomaの症例ではGaの集積が強く、FDGの集積は認めなかった。また、過去に自験例のBALToma症例でも同様の所見を認めた。
- malignant lymphomaの検出には一般的にGaシンチグラフィ(SPECTを含む)よりもFDG PETの方が有効であるといわれている。しかしMALTomaの場合は注意が必要と思われる。
- 文献によるとMALTomaのFDG集積は組織学的悪性度(grade)や病変の大きさに関係があると言われているが一定の見解は得られていない。
- 文献
- Martha Hoffman Kurt Kletter et al:18F-Fluorodeoxyglucose Positron Emission Tomography(18F-FDG PET) for Staging and Follow-Up of Marginal Zone B-Cell lymphoma. Oncology 2003;64:336-340
- K. P. Beal, H. W. Yeung et al: FDG-PET scanning for detection and staging of extranodal marginal zone lymphomas of the MALT type: a report of 42 cases. Annals of Oncology 2005;16:473-480
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Update: Dec 25, 2005