Case KK02
嚥下性肺炎
Aspiration Pneumonia
症例解説と読影のポイント
- 画像をどう読むか
- 胸部X線写真:右側優位の両側下肺野に網状影が認められます。
- 胸部X線CT
- 右肺中葉、下葉および左肺下葉の一部に間質影の増強を認め、一部は浸潤影のような強い肺野濃度上昇を認めます。
- Gaシンチグラフィ
- 右肺優位の両側下肺野に非常に高度な集積増加を認めます(正常肺野との境界は比較的明瞭です)。
- 解説
- 胸部CTとGaシンチの結果から間質性肺炎に感染がかぶっているのではないかと考えましたが、主治医から誤嚥があるかもしれないと報告があり、胃食道シンチを行いました。
- 胃食道シンチ
- 経管栄養剤にTc-99m-DTPAを混ぜ少量ずつ飲むところを坐位後面で撮像しました。飲み始めて直ぐモニター上に左右の主気管支に一致した帯状の異常集積を認め、両側下肺野にも淡い集積が認められました。
- その後、背臥位にて噴門部に関心領域を取り、50分間連続撮影を行いましたが、画像上、また時間放射能曲線上も明らかな逆流の所見は認められませんでした。
- 嚥下性肺炎の診断にて、経管栄養剤の投与を中止し気管支洗浄を2回行うことによって炎症所見は改善されました。
- 治療後のGaシンチグラフィ
- 治療前にみられた両側下肺野への高度な集積増加はほぼ改善しています。
- 治療後のX線CT
-
- 肺野濃度の上昇は軽度改善したものの依然として間質性変化が残っており治療効果の判定は困難でした。
- 経管栄養剤の誤嚥を繰り返した事による嚥下性肺炎の一例でした。
- 誤嚥の診断に胃食道シンチグラフィが、また治療効果の判定にGaシンチグラフィが有用でした。
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Update: Dec. 31, 2000