Case KK01
光電子増倍管(フォトマル,PMT)の故障によるアーチファクト




図:左より,前面,後面,右側面,左側面
症例解説と読影のポイント
- 解説:
- フォトマルの故障によって生じるアーチファクトは、プラナー像では視野の同一部位にフォトマルの形状に一致する異常信号の出現として理解しやすいが、Whole
Body, SPECTにおいては故障を指摘できないことがある。
- 肺梗塞患者KK01として先に提示した症例のsingle head
cameraによるSPECTをみると,同時にプラナー像を撮像しなかった場合、区域性の血流低下とは明らかに異なる所見の解釈は困難である。故障部位によってもSPECTでは様々な信号異常のパターンを取りうる。(例えば中心部
vs. 辺縁部)
- 多検出器型のSPECTでは臨床例のみからフォトマルの故障を指摘するのはさらに難しい。正常に作動するカメラによるデータでマスクされてしまうためである。
- 3検出器型カメラのうち1箇所にのみ10%のgainの低下が生じた場合を、円柱型ファントムの撮像データを用いてシュミレーションした。コントロールと比較して信号の軽度の低下は指摘できるが臨床例での指摘は困難と思われる。

- 定量的評価を行なうシンチグラフィも含めて、撮像機器の故障の早期発見は重要である。
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Update: Dec 1/98